Boat-Practice

ボートレースびわこの攻略学 〜淡水・風・広さ…“振り回される水面”を読み解く〜

滋賀県大津市、日本最大の湖「琵琶湖」の一角に位置するボートレースびわこ
雄大な自然に囲まれた美しい景観とは裏腹に、この水面は全国屈指の“クセ者”として知られています。

「インが飛ぶ」「風が読めない」「差しが決まらない」など、びわこに関する声はバラバラ。
なぜならここは、水質・水面構造・風・助走距離・進入すべてが“一癖”ある特殊水面だからです。

本コラムでは、びわこ特有の「淡水×広水面×風×イン信頼×地元勢」の5つの視点から、どのようにレースを読み、舟券戦略に落とし込むかを徹底解説していきます。


1. 全国唯一の“純淡水場”=ターンが重い、水が噛まない

びわこの水質は、全国で唯一の「完全な淡水」
これは、以下のような特徴を生み出します:

  • 海水に比べて浮力が小さい
  • ターン時に水を噛みにくく“滑る”感覚
  • スピードを落とさないと回れない

このため、普段から海水水面を走る選手にとっては違和感のあるターンになるケースが多く、レースミスや“膨れターン”による失速も少なくありません。

この「水が軽い」感覚を知っているかどうかが、勝敗を分ける要素となり、びわこ経験の少ない遠征組が苦しむ場面も目立ちます


2. 風が“すべてを壊す”びわこ

びわこの最大の攻略ポイントにして最大の難所――それはです。
特に注意すべきは、以下のような状況:

  • 北風(向かい風)5m以上:インがターンで流れ、差しがズバッと刺さる
  • 西寄りの横風が強い日:スリット隊形がバラつき、スタート事故のリスク上昇
  • 強風+波立ち水面:ターン時に艇が跳ねる、握りづらくなる

さらに厄介なのは、風が突然変わること
びわこでは「スタ展と本番で風がまるで違う」というケースもあり、展示タイムの信頼性が落ちる日もあります。

風の読みが的中すれば波乱を的中させることもできますが、見誤ると1-2-3がすんなり来るような見せかけのレースでハズすリスクも。
気象情報と水面映像を併せてチェックすることが、びわこ予想の第一歩です。


3. インの信頼度は“低め”、1号艇を簡単に買うな!

びわこの1コース勝率は、全国平均(52〜54%)に比べてやや低め(48〜51%程度)
特に風の強い季節(11月〜3月)は、1コースの信頼度が大きく落ち込みます。

なぜインが弱くなるのか?

  • 向かい風でターンが流れる
  • 水面が滑るため、無理に握ると膨れる
  • ダッシュ勢が伸びやすい広水面
  • モーター差が露骨に出る構造

これらの要素が重なるため、びわこのインは「強い日と弱い日が極端に分かれる」という水面なのです。

そのため、予想の際は以下の観点が重要:

  • その日の風速と風向き
  • イン選手のモーター気配とターン精度
  • センター勢の攻撃力(スリットから覗くか)

「1号艇=自動的に軸」ではなく、“本当に今日のびわこで逃げられるか”を毎レースごとに考える癖をつけることが大切です。


4. 展開力が試される広水面=まくりより差し&まくり差し

びわこは、水面が広く助走距離も長いため、スピード戦が展開されやすい水面です。
しかし、「広い=まくりやすい」と思っていると痛い目を見ます。

というのも、

  • 外から握ると水を噛まず、膨れて失速
  • ダッシュから一気にまくっても流れて展開を作るだけ
  • センター勢が攻めて崩れたところを、5・6コースが突いてくる

というケースが非常に多く、びわこは“まくり差し・差し”が決まりやすい構造なのです。

このため、舟券を組み立てる際は、

  • 差し屋タイプの2・3コース選手
  • 握って潰す選手より、“冷静に差せる”選手
  • アウトコースで“展開読みができる”選手

を評価することで、より精度の高い予想が可能になります。


5. びわこ巧者を覚えろ!経験値が命を救う

びわこでは「水面特性への慣れ」が結果に直結します。
そのため、びわこで好成績を残している“巧者”を覚えておくだけで、舟券の信頼度がグンと上がるんです。

代表的なびわこ巧者は…

  • 馬場貴也(滋賀支部):地元エース。風でも波でも関係なく勝ち切る
  • 丸野一樹:まくり・差し自在でびわことの相性◎
  • 下條雄太郎:センター巧者。びわこでも冷静に展開を読む
  • 今垣光太郎:北陸水面にはめっぽう強く、びわこでも出れば狙える
  • 木下翔太:びわこでの実戦派。調整と展開判断が噛み合うと外から突く

特に、地元の滋賀支部勢はびわこの風と滑りに完全に適応しており、展示タイムが多少悪くても“びわこなら買い”という評価をしてOKです。


びわこで勝つための“6つの鍵”

  1. 風向・風速を最優先でチェック  → 5m以上の向かい風ならインは警戒
  2. “滑る水面”に対応できる選手かを見極める  → 回り足に安定感があるかを重視
  3. モーター評価は行き足・出口足の滑らかさに注目  → タイムより“回った後の押し感”を見よ
  4. イン信頼は“地元A1選手”かどうかが大きな分岐  → B級 or 遠征選手のインは飛ぶリスクあり
  5. 3・4コースに差し型選手がいるときはチャンス  → まくり不発からの“まくり差し→突き抜け”が狙える
  6. びわこ巧者を舟券に絡めて“水面適性”を信じろ  → 実績と経験がものを言う場

まとめ:びわこは“予想力の試金石”。読む者が勝つ水面

ボートレースびわこは、荒れることもあれば堅く決まることもある。
インが飛ぶこともあれば、センターが飛び出してそのまま逃げることもある。

この“安定しないバランス”こそが、びわこの最大の魅力です。

予想家にとっては、

  • 風を読む
  • 水面を読む
  • モーターを読む
  • 展開を読む

この“読む力”の全てが問われる舞台。

だからこそ、当てたときの納得感と快感が格別なのです。

← コラム一覧に戻る