Boat-Practice

ボートレース徳山の本質 〜「イン最強水面」をどう乗りこなすか?〜

山口県周南市、瀬戸内海に面した穏やかな湾内に位置するボートレース徳山
全国屈指の“イン有利水面”として有名で、「迷ったらイン」とまで言われるほど、逃げが素直に決まりやすい水面です。

だが、それだけにとどまらないのが徳山の奥深さ。

  • インが逃げる中で“崩れるとき”のパターン
  • 差し・まくり差しの出どころ
  • スタート感のズレと朝一番レースの特徴
  • 意外と多い「外マイ」からの中波乱

今回は、「水面構造」「イン信頼の実態」「センターの出番」「朝と午後で変わる気象条件」「地元選手と徳山巧者」の5つの視点から、“堅く見えて実は読める水面”である徳山を攻略するための予想法と舟券戦略をお届けします。


1. 徳山は全国屈指の「走りやすい」水面

まず押さえておきたいのは、徳山の水面構造です。

  • ピットから1マークまでの距離が長く、助走も十分
  • 水面は瀬戸内の湾内で風が入りにくく、ほぼ“静水面”
  • 海水で浮力があるため、ターンの返りがスムーズ
  • 満潮・干潮の差も緩やかで潮流による影響は少なめ

これらの要素が揃っているため、

  • スタートが揃いやすく
  • インがスムーズに逃げ
  • セオリー通りの進入・展開で決まりやすい

という、いわば“教科書的な水面”と呼ばれるわけです。

特に1号艇がA1級でスタートが早ければ、迷わず「1→2→3」の組み合わせでも十分成立する堅水面です。


2. インの信頼度は「文句なし」、ただし過信は禁物

徳山の1コース勝率は年間で58〜62%前後と、全国でもトップクラスの高さを誇ります。
にもかかわらず、なぜこの水面で中穴・万舟が飛び出すこともあるのか?

それは、「インが信頼できる=全ての1号艇が逃げる」ではないからです。

以下のようなケースでは、徳山でもインが飛ぶパターンに注意が必要です:

  • B級 or 若手の1号艇でスタートが遅い
  • 2・3コースに自在戦タイプのA1級が揃っている
  • 風速4m以上の強い追い風が発生している
  • 展示で回り足・押し足が明らかに劣勢

つまり、「インが逃げるか否か」ではなく、「この1号艇が徳山のインで逃げられる要素を持っているか?」を吟味することが必要です。


3. センターからの差し・まくり差しが崩しの鍵

徳山では、「外が強い」よりも、センター(3・4コース)が崩し役を担う構図が多く見られます。

  • 3コースに自在戦タイプの選手
     → まくり差しの巧者なら1マークで捉える展開多発
  • 4コースにスタート速いカド攻めタイプ
     → まくりは不発でも内の艇を流して差し筋が開く

さらに、1マークのスピード勝負に強い選手なら、“センターから1→2艇身覗く”だけで勝負になるのが徳山の水面です。

このため、「インを信頼する場合でも、2着3着でセンター勢を絡める」という構成が舟券的には非常に有効になります。


4. 朝一の徳山は“魔の時間帯”になることも

徳山は第1R(モーニングレース)から開催されることが多く、朝の気象条件による変化が特に大きい場でもあります。

特徴的なのが、

  • 朝は気温が低く、エンジン回転が上がりやすい
  • そのため、回り足型よりも伸び型モーターが強く出る
  • 1R〜3Rあたりはスタート勘が揃わず、波乱も起きやすい

つまり、1〜3Rは「まだエンジンが温まっていない」「スタートが揃いにくい」「調整が外れている選手も多い」という、“安定しきっていない時間帯”なのです。

したがって、

  • 1号艇のスタート力に疑問があるときは警戒
  • モーター評価が高く、展示で行き足が出ている3・4コースに注意

という、“朝だけ波乱パターン”をあらかじめ用意しておくと、万舟券に届く場面も増えてきます。


5. 地元・山口支部の実力者たちは、信頼度抜群

徳山は山口支部の本拠地。
そのため、地元選手はコース特性、スタート勘、整備傾向に精通しており、展示が並でも実戦で抜けてくる“隠れ好走”が多発します。

特に注目すべき徳山巧者は:

  • 白井英治:地元の絶対的エース。イン戦の信頼度は全国トップクラス。差し・まくり差しも切れ味鋭い。
  • 寺田祥:自在なレース運びと整備力。1枠でなくとも高確率で舟券内に来る。
  • 前本泰和(広島):徳山でも成績が良く、展開の読みと差し技術が光る。
  • 今村豊(引退済・参考枠):かつての“徳山支配者”。今でもその教えを受けた若手が台頭中。
  • 原田篤志:スローからでもスタートが鋭く、展示で出ていなくても地元水面では警戒必須。

地元選手は「信頼軸」「穴狙い」どちらでも使えるので、展示だけで評価せず、“実績・相性”も考慮して組み立てたい水面です。


徳山予想の“6つの鉄則”

  1. 「イン信頼」は基本。ただし逃げる1号艇かはチェック必須
     → 展示・スタート・モーターで総合判断
  2. センターに自在戦型がいるかを見極めろ
     → 3・4コースが攻める形なら、1が飛ぶ or 絡む
  3. モーニング開催は朝イチ波乱に注意!
     → 1〜3Rはエンジン未完成&スタートズレが起こりやすい
  4. 展示は“直線タイム”より“押し感・スリット気配”を重視
     → 静水面だからこそ、本当に出ている艇が分かりやすい
  5. 穴は5コース差し・展開突きにあり
     → センターが攻めたときに外が浮上しやすい構造
  6. 地元山口勢は過信ではなく“信頼”で買うべし
     → 白井・寺田を中心に水面掌握力◎

まとめ:徳山は「堅く獲れる」、でも「読んで拾える」

ボートレース徳山は、インが強く、展示と結果がリンクしやすい“素直な水面”です。
しかしそれだけでは、舟券で人と差がつかない。

  • 「この1号艇は逃げられるか?」
  • 「センターが攻める展開になるか?」
  • 「朝イチは波乱含みか?」
  • 「地元勢はどの枠から来るか?」

これらを読み切ったとき、徳山は“手堅くも、爆発力のある”予想場になります。

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