池田浩二|“攻撃的知将”が見せる、正攻法と勝負勘の両立
SG常連組のなかで、最も「基本に忠実」でありながらも、勝負どころでは大胆に決断する力を持った男――
それが、池田浩二(愛知支部/登録番号3941)だ。
決して派手さはない。だが、誰よりも「本気で1着を獲りにいく」。
そして、舟足・展示・水面…あらゆる情報を詰め込み、ベストな勝ち筋を理詰めで選び抜く“攻撃的知将”である。
今回は、池田選手のコース別の戦術構成と整備力・勝負勘を、数字とともに紐解いていく。
コース別:池田浩二の「勝ち方」を読む
■ 1コース進入時|先マイ職人の本気
- 進入率:約98%
- 1着率:約87%(SGでも85%前後)
- 平均ST:0.12
池田の1コースは、まさにお手本の逃げ。
1マークのターン角度、握るタイミング、旋回後の出口の伸び…すべてが高次元で揃っている。
特筆すべきは、モーターが“中堅レベル”でも逃げ切れる力。
これは整備とピット離れの仕上げが安定している証拠であり、1コースを引いたときの舟券信頼度はSG屈指。
また、展示タイムが普通でも逃げ切れるケースが多く、「池田の1号艇は信用できる」の定評がある。
■ 2コース進入時|精度の高い差し、時にツケマイ
- 進入率:約97%
- 1着率:約28%
- 平均ST:0.13
池田の2コースは差し主体だが、1コースの出足や旋回のクセを見て、
迷わずツケマイを選択する場面もある“変化対応型”。
彼の差しの特徴は、スリット直後の“艇の角度”の作り方にある。
軽く艇を外に振ってから、すぐにハンドルを入れることで、他艇よりも深く・早く回り込む技術を持つ。
また、波が立ちやすい水面でも“艇が暴れない”ので、荒水面での2コースは特に舟券妙味が高い。
■ 3コース進入時|まくり差し職人の精密軌道
- 進入率:約91%
- 1着率:約34%
- 平均ST:0.12〜0.13
池田浩二の必殺コースがここ。
スタートで出ていればツケマイ、出なければ即まくり差しという、どちらも高精度な“精密な二刀流”が持ち味。
特に特徴的なのは、1マーク手前で艇をほぼ横向きに滑らせる旋回技術。
このため、まくり差しでも差し幅が狭くても、他艇にぶつからず抜けてくるケースが多い。
彼のまくり差しは、決して“展開待ち”ではない。“展開を作る力”と“差し込む力”がセットになっている。
■ 4コース進入時|自在型の読みと瞬発力
- 進入率:約86%
- 1着率:約27%
- 平均ST:0.12
4コースの池田は、差し6:まくり4くらいの比率。
ただし、展示でモーターが強いと判断したときや、他艇の並びが甘いと見ると、まくり一撃の意志がにじむ。
注目したいのは、スタート後のスロットルの“踏み直し”が絶妙で、
「まくるには届かない…」というような場面でも、ターンで引き波に乗せずまくり差しで巻き返す。
カドから攻めた場合の“道中の粘り”にも強く、1周1Mで届かなくても、2Mで逆転してくる冷静さが光る。
■ 5コース進入時|展開待ちでは終わらない
- 進入率:約60%
- 1着率:約18%
- 平均ST:0.13
池田の5コースは、まさに“展開を読み切る冷静さ”の塊。
他の選手が「無理だな」と思うようなシーンでも、ほんのわずかなスペースから差し込む。
特に、スリット後の艇団の並びが乱れたときの反応速度が非常に速い。
スタートの時点で“全体像”を把握しており、内が競ると読めば即座に外をまくり差しで突く判断力がある。
■ 6コース進入時|穴ではなく“浮上のプロ”
- 進入率:約35%
- 1着率:約7〜10%
- 2・3着率:かなり高水準(約40%超)
- 平均ST:0.14
池田の6コースは、一撃ではなく着を拾う“構築型のレース”。
勝負に出るというよりも、「荒れそうなレースで浮上する」タイプ。
一方で、展示で伸びがついてくると一気に仕掛ける全速戦に切り替える柔軟さも持ち合わせており、
レース映像では「ターン前の艇の向き」で攻めるか待つかが見える選手でもある。
6号艇だからといって軽視できない選手、それが池田浩二だ。
整備・調整力|“自分の型”を持つプロフェッショナル
池田浩二の整備は、“仕上がりを見て方向を決めるタイプ”。
以下のような特徴がある:
- ピット離れと出足バランスを最優先
- “中堅以上”のモーターならほぼ必ず仕上げる
- 節間での“修正力”が抜群(初日→2日目で激変)
特に、他艇が合ってこない状況で池田だけは完璧に仕上げてくることが多く、
本人の整備センスというよりは、“レース勘+整備力の合わせ技”で舟を最適化してくる印象だ。
また、「悪いなりに戦える足にまとめる」技術があり、
調整に失敗しても、道中でうまくカバーして勝ってしまう場面も多い。
総括|池田浩二は“勝ち筋の組み立て職人”
池田浩二という選手は、スタートで飛び出して逃げるタイプではない。
派手なまくり連発型でもない。だが、その全ての武器を“必要なときに使いこなせる”選手である。
整備では中堅機を上位に引き上げ、レースでは“冷静な判断”で確実に着を拾う。
そして、勝負どころでは、迷いなく攻め切る。
SG・G1で舟券を組むなら、「池田がどのコースにいるか」で展開を考えるべき――
それだけの安定感と、時に爆発力を併せ持つ“東海の知将”である。