辻栄蔵:変幻自在な“広島のレジェンド”、対応力と実戦力で支えるA1安定型
1990年代から活躍し、2025年前期の勝率ランキングでも未だ高い数値を維持しており、現役レジェンドとしての存在感を保っている。
以下、構成に沿って辻栄蔵の走りを掘り下げていく。
① コース別戦術傾向
▶ 1コース(イン逃げ型)
- コース別進入率を見ると、1コースでは抜群の安定感を誇る。勝負強さと安心感を兼ね備えたイン戦が魅力だ。
- スタート平均は0.13~0.17秒とやや緩めながら、それを補って余りある旋回力と展開読みで、追われても崩れない。
- 無理せず丁寧に回るターンで“舟を残す”技術が高く、1号艇時は舟券の本命に最適。
▶ 2コース(差し+捌き対応型)
- コース別データでは、必要とあれば差しても握っても対応できる柔軟さが特長。
- スタート後の場面判断力に優れ、展開次第で最短差しを狙う一方、展開が向かず攻められない場合は差し遅れせず対応する器用さがある。
▶ 3・4コース(自在の展開型センター巧者)
- 3コースでは、回し勝負・展開捌き力で浮上する姿が目立つ。4コースでもセンターからの競り勝ち力も強力。
- 展開読みと旋回支配力を武器に、まくり/まくり差しを柔軟に使い分ける技術は“自在な展開対応型”と言える。
▶ 5・6コース(外枠でも舟券に絡む実力型)
- 外枠でも決して軽視できない存在。
- 展開読みだけでなく、道中の差しや2Mでの粘りを併せ持ち、外枠からの舟券貢献が可能な実戦型。
② 整備力と舟足傾向
- 整備スタイルは、“変幻自在な舟足”を作る職人型。程よく回り、握っても艇が流れず、まくっても追走できる調整を得意とする。
- 長年の経験に裏打ちされた微調整で、初日から持ち味を発揮し、シリーズを通して安定したパフォーマンスを継続する能力に長ける。
③ 総括:万能性と実戦力が光る“安定型ベテラン”レーサー
辻栄蔵は、どの枠からでも一定の舟券力を発揮できる“変幻自在な安定型レーサー”だ。
- 1コース:逃げ切り信頼度が極めて高い
- 2号艇~センター枠:展開を読んで差し・まくりを使い分ける柔軟な展開対応力
- 外枠:展開と旋回で浮上する“捲り外枠の強者”
さらには、SG・G1でも通用する整備巧者として、経験と技術で若手の軸に選ばれる存在。ベテランながら着実に舟券対象になり続けるその力は、“縁の下の力持ち型レーサー”として非常に貴重だ。
特に広島支部では若手にも影響を与える存在である。今後も展開読みと整備力を武器に、「狙いどころで怖い選手」として舟券ファンに支持され続けるだろう。