Boat-Practice

三浦永理:「テクニカル・エリー」が描く“静岡の変幻自在の実力派”

2000年代にデビューして以来、巧みなターン技術から「テクニカル・エリー」の異名を持つ、女子トップクラスのベテランとして知られている。G1やSGも経験し、長年にわたって安定戦力として活躍している


① コース別戦術傾向

▶ 1コース:“逃げを極める回転巧者”

  • スタート平均は0.15秒とやや控えめだが、1号艇逃げを逃さない旋回と押しで補強。
  • 決まり手はすべて“逃げ”で貫き、差し返しを許さないパワーと安定感が強み

記念戦や女子G1でも、イン戦では本命軸として明確に信頼できるタイプである。


▶ 2コース:内差し・まくり差しを柔軟に選ぶ“バランス型2号艇”

  • スタート平均0.17秒と控えめながら、展開次第で差すかまくるかを瞬時に判断し、最短距離で仕掛ける。
  • 差しが主だが、センター勢に絡まれた場合にはまくり差しへ切り替える柔軟性あり。

2号艇でも“舟券軸”として十分に選択肢になる実力を備えている。


▶ 3・4コース:展開読みと回り眼で浮上する“センター展開巧者”

  • 特に3・4枠からのまくり差し決まり手数が目立ち、展開読み+技術型の仕掛け抜群。
  • スリット直後に覗ければ積極的に握り、無理があると判断すれば内差しで浮く柔軟な戦いぶり

中心枠からでも勝負感を見せつける読み力と決断力が魅力だ。


▶ 5・6コース:外枠でも連に絡める“展開対応型アウト職人”

  • 主にまくり差しや差しを狙い、展開の隙をついて浮上する実戦型。
  • 舟足だけでなく読みと立ち回りで粘る、外枠でも舟券に残る力を発揮する選手。

実戦でも外から着を拾うシーンが多く、「消せない存在感」がある。


② 整備力と舟足傾向

  • 一般・G2でも安定した勝率で、女子の中ではトップクラス
  • スタートタイミングは平均0.15〜0.17秒とやや遅めだが、舟足はターン重視型。スリット後の伸びよりも回り足とターン後の押さえ・立て直しに強みがある。
  • 整備では「握っても艇が流れない回転バランス型」を作る職人的な調整が得意。また、シリーズを通して安定した足を維持する調整技術にも定評あり。

ベテランらしく、盤石の舟足設計からレースごとに最適化していく整備姿勢が光る。


③ 総括:読みと回りで舟券に貢献する“静岡の実力派ベテラン”

三浦永理選手は、スタートスピードで主導権を握るタイプではないが、展開判断とターン精度で幅広く舟券に貢献できる“技の実戦派”である。

  • 1コースなら安心の逃げ
  • 2号艇でも差しやまくり差し展開を使い分け
  • 中心枠では決断ある攻めで浮上
  • 外枠でも展開と捌きで3連絡みに粘る

SG・G1でも舟券的に侮れず、安定感と技術で信頼される珍しいタイプ。女子戦だけでなく混合戦でも通用するのは、勝率が物語っている。

“テクニカル・エリー”の異名はダテではなく、今後もベテランとして変わらぬ存在感を放ち、「展開読みで怖い選手」「差し巧者ベテラン」として舟券ファンに評価され続けるだろう。

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