Boat-Practice

宮之原輝紀:冷静沈着な“思考派レーサー”が歩む、東京支部の次代を担う道

整備士である父の影響で幼少期からボートに親しみ、若くして実戦的な目線を持つ選手へと成長。トップルーキーにも選出され、ヤングダービーでの活躍やSG初出走を経験するなど、“若手実力派”として注目を浴びている。

小柄ながら、スピード旋回と展開読みの巧さが光るタイプであり、安定感と勝負強さを併せ持つ選手だ。


◆ ① コース別戦術傾向

▶ 1コース:スタート精度と旋回力が融合した“逃げの安定型”

宮之原のイン戦は、勝率・連対率ともに極めて高い。

  • スタートは平均0.13秒。スリットから先マイし、道中も落ち着いた旋回でリードを保つ
  • 余裕あるターンで差し返しを許さない構えを持ち、記念戦でも“本命”として信頼される

インに入ったときの安心感は、若手の中でも屈指の安定性だ。


▶ 2コース:差しと握りを使い分ける“対応型セカンド”

2号艇での宮之原は、状況に応じた柔軟な判断が光る。

  • 展開に応じて差しかまくり差しかを即座に選び、スリット後に主導権を握る場面も
  • 道中の差し返しにも強く、「2コースから買える選手」の代表格

差し一辺倒にとどまらず、握って攻める積極性もあり、2号艇でも本命サイドに据えられる存在だ。


▶ 3・4コース:センターから勝負に出る“読みと旋回の中間攻撃型”

宮之原のセンター枠戦は、レースメイク力と決断力が持ち味。

  • 決まり手はまくり差しが中心で、「強引すぎず、確実に差して浮上する」スタイル

スリットでのぞけば握り、揃えば差す。そんな“柔らかな攻め”を展開するセンター巧者であり、記念戦でもこの枠から舟券に絡むことが多い。


▶ 5・6コース:道中で浮上する“実戦型アウト巧者”

宮之原の外枠は、派手さはないが舟券に貢献するタイプ。

  • まくり差し・差しを展開読みで選択し、2マークで浮上する粘りが光る

6号艇でも2~3着に食い込むケースがあり、外枠でも「消せない一人」に数えられる選手だ。


◆ ② 整備力と舟足傾向

宮之原は、調整力にも長けた“完成度重視型”。

  • 整備の主眼は「回り足+出足」=旋回勝負型の調整
  • 伸びは並だが、スリット後の失速感がなく、ターン後の出口で加速できる足に仕上げる
  • 平均スタートタイミングは全体で0.13秒と安定。展示タイムとの乖離も少なく、信頼性が高い

SG初出走時も舟足で見劣りせず、シリーズ通して安定したレースができる整備力が持ち味となっている。


◆ ③ 総括:完成度の高さと思考力でSG戦線へ突入する若手本格派

宮之原輝紀は、「速さよりも確実性と対応力」で結果を残すタイプ。すべての枠で勝負形を持っており、どんな場面でも“最善の手”を選べる若手レーサーだ。

  • イン戦では逃げ切る判断と旋回力
  • 2~4コースでは展開を読み切る差し・まくり差し
  • 外枠でも粘って舟券に残す技術と意識の高さ

すでにG1・SGの実戦経験を重ねており、今後は「SG準優勝以上」「グランプリ出場」など、上位戦線での活躍が期待される。

冷静沈着な判断力と、トップルーキーに選出され続けた信頼性を兼ね備えた“東京の頭脳派ヤングエース”。さらなる飛躍が楽しみな存在である。

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