Boat-Practice

大上卓人:着を積み重ねる調整力と展開力“広島の堅実派バランサー”

プロフィールと選手像

地元広島出身のレーサーで、冷静な展開判断と整備へのこだわりで知られ、安定した成績を積み重ねる“足作り派”選手といえる存在です。


コース別の特徴と決まり手傾向

■ 1コース(イン枠)

進入が整うと力強く前へ出る逃げ脚が安定。1コースからの連対率や1着率も優秀で、舟券の軸になる信頼感があります。1枠なら安心して本命視できる存在です 。

■ 2~3コース

2コースでは差し主体で、展開を見ながら着を拾う冷静さ。3コースからはまくり差しを狙うなど、展開とスタートの噛み合い次第で攻めに転じる柔軟な対応力があります。スタートが決まれば一気に上位着順へ食い込む瞬発力も持っています。

■ 4〜6コース

中~外枠でも大崩れしにくく、差しやまくり差しを絡めてレースをまとめる姿勢が光ります。6コースでも3着以内の可能性を残す柔軟性と経験があり、展開待ち型ながら安定感が強みです 。


スタート感覚と展開判断

■ スタート(ST)

平均STは0.13〜0.15前後と標準的ながら安定感抜群。特に1コースの進入では慌てず、無理のないスタートを心がけ、レース進入時のリズムを乱さない冷静な対応が持ち味です。

■ 展開読みと判断力

展開状況を素早く把握し、無理に仕掛けず状況に応じて差し・まくり差しを選択。大敗を避けながら着を重ねる判断力に優れ、安定型予想派には頼りになる存在です 。


整備力と足作りのこだわり

大上選手の整備姿勢はまさに職人気質。ピットでは出足とターン回りのバランスに重点を置き、展示後の微調整で機力を整える姿勢が印象的です。「バランスが取れている」「出足・回り足が良く、伸びも平均以上」という声も報告されており、調整による仕上げのスピードが向上しています。

特に2025年6月・桐生G1では、6パターン目のペラ調整で正解を引き、3コースからまくり差しを決める展開勝負で1着を獲得するなど、整備と展開読みが噛み合った好走もありました。抽選で引いたモーターをベースに、基本形を守りながら仕上げていく姿勢が安定の要因となっています 。


水面・開催別の傾向

広島地元開催や宮島水面での活躍が目立ち、地元への適応力と成績が安定しています。2025年前期だけでも宮島や戸田、浜名湖、桐生などで複数優出・優勝を果たし、複数回のG1戦線でも力強い走りを披露しました。

他地区開催でも展開と足の整備次第では勝負圏内へ持ち込む柔軟性があり、開催場を選ばず着をまとめる能力に長けています。


総括:大上卓人という選手像

  • イン戦の信頼性:1枠時の逃げ脚に安心感があり舟券の軸になりやすい。
  • 展開対応力:スタート次第では積極的なまくり差しや差しを狙える柔軟さ。
  • 整備追求型:出足・回り足重視の調整姿勢で、足の仕上がりを早く作る力がある。
  • 安定性の高いコース対応:6枠でも着絡みを狙える判断力とリズム維持力。
  • 地元適応力:広島/宮島水面に強く、開催場でも安定した走りをキープ。

ファン視点での注目ポイント

  • 1枠の逃げ脚:進入整えば安心して押さえるべきイン戦。
  • 展示と整備に注目:展示タイムや前検後のペラ調整があるかどうかで、足の仕上がり具合を読む手がかりになります。
  • 展開とのかみ合わせ:スタートが決まった3コースでのまくり差しは必見。整備が噛み合えば仕掛けの精度も上がりやすい。

締めくくりに

大上卓人選手は「整備と展開読みでレースを作る職人型レーサー」です。華やかではないものの、地道に足を仕上げ、状況判断を冷静に行うスタイルは、舟券的にも非常に安定した存在。展示やペラ調整、進入の整い具合を注意深く見ることで、その日の仕上がりやチャンスの有無が一層理解できる選手です。今後も広島系水面をはじめ、展開と整備の噛み合いによる良走に期待したいところです。

← コラム一覧に戻る