Boat-Practice

佐藤隆太郎:戦術眼とスピード性能が融合する“新時代の万能SGレーサー”

ボートレース界において、速さと賢さの融合は一流選手の証。どの枠でも臨機応変に対応し、かつスタートで主導権を握れる選手はほんの一握り。
2025年、SGクラシックとオールスターで連覇を成し遂げた東京支部の若きエース・佐藤隆太郎(さとう・りゅうたろう)は、まさにそんな“時代を動かす万能型”である。

2025年春のSG連勝で一躍スターダムにのし上がり、冷静な判断力とスピードある展開力が武器の“万能スピード型”として注目されている。

今回は以下の3つの視点から、佐藤隆太郎の魅力を徹底分析する。


◆ 1コース:主導権を握る速攻逃げ、“速さと安心感の両立”

佐藤隆太郎の1コースは、「速さ+ターンの確実性」が融合した高精度の逃げスタイル。

  • 平均スタート0.14前後の安定した踏み込み
  • 1マークを冷静に回して出口で加速し、差し返しを許さない旋回
  • SG戦でも逃げ切りを決めるなど、全国屈指の「信頼できる1号艇」として評価されている

特に2025年のクラシック・オールスターでは、インから逃げ切ったレースの完成度が極めて高く、冷静さと積極性が両立する数少ないタイプである。


◆ 2コース:差し・握りの判断が冴える“対応型セカンド”

2コースからのレースでも佐藤は「レースの流れを読むセンス」に優れており、差しに入るか握るかの見極めが的確。

  • 差しが決まるときは鋭く最短距離を突き、インとの距離を保ったままバック勝負に持ち込む
  • 握る展開でも、前が甘ければまくり差しを即座に選択する

これにより、2着率・3着率が高く、舟券的には“2号艇の本命視”に最適な存在。2マークでの立て直しや逆転も多く、競り合いにも強い。


◆ 3・4コース:勝負に出る判断力が光る“自在なセンター巧者”

佐藤のセンター戦は、まくり差しを軸にした勝負型。特にSG・G1での3・4号艇時には、一発で主導権を奪うレースが目立つ。

  • スリットで覗けば握ってまくる
  • 流れが揃えば差しに構えて内を制する
  • 1マーク後の位置取りも冷静で、バック戦から頭まで狙える走り

センター枠では、足だけでなく“読みの力”で差をつけるタイプ。勝負勘と展開把握力に優れ、舟券的にも「センター巧者」の評価が定着しつつある。


◆ 5・6コース:展開を読んで残す“外枠戦術型”

佐藤の外枠戦も評価に値する。特に5コースでは、センター勢の攻めに乗じてまくり差しで2・3着に浮上する展開勝負型

  • スリットが揃えば外から差してバック浮上
  • 6コースでも差し構えとターン後の押しで、3着以上を狙うシーンも多い

「外枠だからといって軽視できない」「展開次第では一発ある」そんな印象を残すのが佐藤隆太郎の強み。
特に記念戦では外でも舟券対象に入る安定感があり、信頼度の高い選手となっている。


◆ 整備力:スピードとターンを両立、“完成度重視の実戦派”

佐藤の整備方針は、出足と回り足を重視した“レース向けの調整”

  • 初日は中堅級でも、シリーズ中盤から伸び足が良化する“育成型”
  • ギアケースやプロペラ調整の反応が早く、SG戦でも中盤から舟足の仕上がりが加速
  • 特に「回って押す」タイプの出足整備に長けており、ターンで流れない足作りが安定戦術を支えている

実戦対応力+調整精度=結果を出す力があるのは間違いない。


◆ 総括:万能×思考=“理論派スピード型の理想形”

佐藤隆太郎の真価は、「枠や条件に左右されず、常に勝てるレースを選ぶ力」にある。

  • 1コースで逃げ切り、
  • 2・3コースで自在に展開を読み、
  • 外枠でも展開を突いて着を拾う。

この戦術対応力と、SGでも通用するスピード性能が融合している点で、「新時代の理論型万能選手」としての存在感はますます大きくなっている。

2025年にSGを連覇し、トップ戦線での地位を固めた今、次の目標は「グランプリ制覇」。
頭脳とスピードを併せ持つ若手の代表格として、今後もボート界をリードしていくことは間違いない。

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