女子レーサーの台頭と展開予想の変化
ボートレース界において、女子レーサーの存在感が年々高まっている。
一昔前は、「女子は非力だから男子戦では厳しい」と語られることも多かった。
しかし今では、遠藤エミ、平山智加、大山千広、鎌倉涼、守屋美穂、田口節子らの実績を見れば、その認識は完全に過去のものになったといっていい。
女子選手が男子相手に互角以上の戦いを見せることで、レースの読み方も変わってきている。
では、女子レーサーは舟券的にどう評価すればいいのか?
今回はそのヒントを探っていこう。
◆ 女子レーサーは「展開を作る側」より「展開を突く側」
一般的に、女子レーサーの特徴としてよく言われるのが:
- 体重が軽いため、出足や回り足に優れる傾向がある
- 一方で、伸び足やダッシュの迫力はやや劣ることが多い
- 攻めよりも“差し”や“展開を突く”走りが得意
つまり、女子選手は自らまくっていくよりも、展開待ち型・差し型が多い。
これがレース展開や舟券予想において大きな意味を持つ。
たとえば:
- 女子が内側に入ると、レースが落ち着きやすい(スタートが慎重になりやすい)
- カドに女子選手が入っている場合、まくりが決まりづらくなる
- 3コース女子の差しは軽視禁物。まくり差しで穴をあけることも多い
こういった“構造的な読み”ができると、女子選手の扱い方が変わってくる。
◆ 女子戦と混合戦、それぞれの傾向を知る
女子レーサーを扱う際は、「女子戦(オール女子)」か「混合戦」かでアプローチが変わる。
◎ 女子戦(オール女子)
- 全体的にスタートが慎重になる
- 展開のスピードが遅く、イン逃げが決まりやすい
- 3着争いが接戦になりやすく、2連単>3連単派にも向く
→ 基本は“イン軸+差し展開の読み”。内枠中心の決着が多い。
◎ 混合戦での女子
- カドの女子は“まくれない”可能性が高い
- 男子のまくりに“乗ってくる差し”がハマることも
- ダッシュ勢に女子が多いと、スタートでスローが残りやすい
→ “攻めの起点”としては使いづらいが、“展開を拾う穴”として魅力あり。
舟券では、「女子を攻め筋に置くか、拾い役に置くか」で狙い方が変わってくる。
◆ 実力女子は“性差を超える”
ただし、トップクラスの女子選手は「展開待ち」という枠に収まらない。
以下のような選手は、男子相手でも主導権を握れるだけの力を持っている。
◎ 遠藤エミ
- スタート力と旋回力は男子顔負け。1コース信頼度も高い。
- SGでのイン逃げ勝利は、女子レーサー史上初の快挙。
◎ 平山智加
- スタート勘が鋭く、センターからのまくり差しが魅力。
- 混合戦でも強気に攻めるスタイル。
◎ 守屋美穂
- 展開を読む力と、差し技術に長けた選手。
- スロー戦での安定感が光る。
→ こういった実力女子に関しては、性別ではなく“実力者の一人”として扱うべき。
舟券でも、“強気の頭固定”も視野に入る。
◆ 舟券戦術:「女子を信頼するなら“流し”、切るなら“前残り”」
女子レーサーを予想に活かす際のコツは、次のような買い方に現れる。
◉ 信頼して買う場合(軸として使う)
- 2着・3着固定+流し(例:1–2–全、1–全–2)
- 展開ハマりで突っ込んできたときに威力を発揮
◉ 疑って切る場合(弱気な外枠女子など)
- イン前残り+スロー勢の折り返し
- 例:1–2–3、1–3–2(ダッシュ勢女子を消す)
◉ 穴狙いの場合
- 3コース女子が差し展開になるときは「3–1–流」「3–2–流」
- センター穴の鉄板パターンが女子戦には多い
◆ まとめ:「女子は消し」ではなく、「女子は読みどころ」
一昔前のように、「女子だから消し」はもはや時代遅れだ。
とはいえ、女子選手全員が信頼できるわけでもない。
だからこそ、“女子選手がどこにいるか”によってレース展開の構造が変わる。
それを読み解ければ、舟券の精度は一段上がる。
女子選手は、展開を乱す要素ではなく、展開を読むヒントだ。
その位置とタイプによって、“買うか切るか”の判断をしていこう。
次回予告
次回は、
「若手 vs ベテラン 〜伸び盛りか、地元の意地か〜」
というテーマでお送りします。
荒々しく攻める若手、冷静に受け止めるベテラン。
そのぶつかり合いから見える“レースの構図”を、舟券目線で読み解きます。
どうぞお楽しみに!